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経営者は真のコストを見抜け!

TNC「経営者のお金の使い方」チーム担当の税理士の岩﨑と申します。

TNCでは「いい会社」を目指す又は経営をする会社を応援しています。

企業経営において「売上-費用=利益」という算式は、会計の原則です。

会計は有形・無形問わず貨幣により評価されます。

要するにお金を使うと自ずと会計の世界では貨幣(円)で認識できます。

真のコストとは?

企業継続の前提は、上記算式の「利益」の増加です。

利益の増加は、「売上を上げる」か「費用を下げる」かの2つです。

「売上を上げる」ことや「費用を下げる」ことに関しては、ほとんどの経営者や管理者は意識していると思います。

事業活動に対して費用はある程度の予測しコントロール下に置きます。急激な社会事情の変化により費用が大きくなるときもあります。研究開発のような投資増加や海外からの輸出・輸入による為替の影響もあります。今回のコロナやウクライナ情勢も事業活動に大きな影響を与えますね。

また会計の考え方で「引当金」(ひきあてきん)という概念があります。

引当金とは、企業会計において将来発生する特定の費用や損失に備えるため、あらかじめ当期の費用として繰り入れて準備しておく見積もり金額のことです。(SMBC日興証券HP参照)

昔流行ったドラマ「半沢直樹」でも、やばい貸付先には引当金の話しありましたね。

将来、発生すると思われる可能性が高く損失を合理的に見積もれる金額を現時点の会計に反映させようとする会計テクニックでもあります。

引当金には、評価性引当金と負債性引当金があり上記の貸付金のような資産と思われるものが将来的に損失なる場合には評価性引当金を、将来発生する退職金に対する引当金は負債性引当金です。

費用というのは現時点ではなく、将来に発生する可能性があるということを認識する必要があります。

この費用の考え方に「将来の費用を発生させない」という発想があることに驚愕しました(;゚Д゚)

働く人の「心理的要因」というコストを取り除く

2022年3月12日に第3回重度障がい者社会支援フォーラムにて株式会社つくし更生会の那波和夫専務のお話しを聞く機会がありました。(本フォーラムの実行委員長はTNCの一員でもある北澤裕美子氏)

本フォーラムにて那波専務は、「人間関係の重要性」と言う話の中で、「売上-コスト=利益」という算式のコストに注目し、コストの要因には下記のものがあることをお話しされてました。

➀金銭の要因

➁時間の要因

➂労力の要因

➃心理的な要因

➄頭脳的な要因

那波専務のお話しで特に印象に残ったのは【➃心理的な要因】でした。私たちは【➀金銭の要因】であるコストに関しては現実的に見えるので意識もしやすい。

【➃心理的な要因】は目に見えないもので意識しないと認識できません。那波専務は【➃心理的な要因】は心理的安全性と言え、【仕事の目的を理解・納得・信用・個性・障害特性の理解・人格形成】といった働く人たちへの「手をかけること・時間を使うこと」により【➃心理的な要因】のコストを下げることができるということでした。

例えば、ある出来事で心理的要因を取り除かずに従業員がその後も働く中で「もやもや感」や「やらされている感」が残るかもしれません。それが原因でせっかく仕事を覚えた人が辞めたりした場合には採用・育成コストがかかります。那波専務はマネジメントの中で特に重要な「働く人の心理的要因」に着目されました。働く人に安心・安全を配慮することによりやる気をもって長く働ける場を提供すれば必然的にコストが下がる、又は将来に発生する費用がなければ別の投資に使えますもんね。

「人はどのようにしたら動くのか」という感情や感覚を十分に理解し働く人たちとの関係性を重視することがともて重要です。

あとがき

人も会社もサンクコスト(埋没費用、過去に投下した資金・材料等)を気にしすぎて、一度手に出しことはなかなかやめれません。行動経済学のプロスペクト理論でも人間は利益より損失を重く受け止めます。目に見えるものに対して意識は行くが、目に見えないものは無意識の領域にありおざなりです。

働く人の心理的要因を経営者はしっかりと意識する必要がありますね。

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