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フランスのテロワールとマーケティング

フランスにはテロワール/Terroir(土着)の考え方が強くあります。
これが原産地名称保護/AOP(Appellation D’origine Protégé)などにつながっており、AOPによって生産地や醸造所、生産法、使用品種などが決められていますので、その土地でしか作れないものが守られている状態になります。
例えば、ワインならボルドー、ブルゴーニュ、他、シャンパーニュやコニャックなど、AOPをクリアしたものは商品にそのまま地方名が使われています。
ですので、ボルドーならこんな感じの味、ブルゴーニュならこんな感じの味、と評論できるわけです。
これって売れる(売るための、ではありますが。)仕組みですよね。
マーケティングで言うなら、国を挙げてのブランディングとも言えましょうか?

フランスの有名どころ、チーズにおいても同じです。
かの有名なコンテチーズから始まってロックフォールチーズ、カマンベール・ド・ノルマンディ(カマンベールチーズの正式名称)など。
ロックフォールにおいてはロックフォール村にある洞窟で熟成されたものだけしか名乗れないというとてもニッチな領域です。
故に参入障壁は非常に高いとも言えます。

そしてフランスのテロワールの考え方は海外にも派生していき、これに倣ったのがメキシコのテキーラで、同様に原産地呼称/PDO(the protected designation of origin) で規制?保護?(実は賛否両論で、長い間、問題を抱えて利害関係者が衝突しています。)されています。原料であるアガベは特定の品種のみを使い、添加物は何%までと厳しく(資本主義の流れでどんどん緩和されてしまいましたが。)、それらをテキーラ地域のみで生産することで、初めてテキーラと名乗ることができる、といった例もあります。

総じて、フランスは、その地域に根付いた良いものをそのまま残そう、外部から侵害されることなく地域を守ろう、という意識がとても強いように感じます。

ただこれらって、マーケティングにも非常に似ていませんか?と個人的には思うのです。
さあ商品を売ろう!というときに、スケールメリットを活用できる大手以外は、基本的にはセグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングから成る、ニッチを極めてブランディングしていくのが有効な手だと自分は考えており、AOPの場合は国を挙げてのことなので少しズレてはいますが、根本的に見ると、その地域、その場所、その空気の強みを最大限に活かす、という共通点があります。

ぼやっとした話ですが、テロワールの考え方と、当方の考えるマーケティング(=売れる仕組み)がすごく近しいな、という話でした。

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