
誰でも、みんながカッコいい!!
TNC理念チーム 小西 雅
私には、ちょっと変わった趣味がありまして‥‥海外のインディーズ音楽が好きなんです。
今はダウンロードや動画サイトが普及し、メジャーデビューしていないアーティストも、認知されるようになりました。
しかし、私の中・高時代、海外のアーティスト(当時は「外タレ」と呼ばれていました)は、大手メジャーレーベルと契約している人、日本盤をリリースしている人だけが有名で、それ以外は知る機会すらありませんでした。
好きなジャンルでメジャーだったのは、デュラン・デュラン、カルチャー・クラブ、ワム!‥‥などです。年齢がバレますね!
インターネットの普及、ネットラジオの登場で、私のリスナー人生が大きく変わりました。
これまで聴いたこともない曲、名前も知らないけど好みのアーティストがワンサカ居ると知ったときは、興奮する反面、ショックでした。
毎週のように海外からCDを個人輸入し、ネットラジオと併せて情報を収集するようになりました。
それから2年ほどして、海外の音楽フェスに足を運ぶようになりました。
ドイツとアメリカ、合計6回行きました。
中でも衝撃だったのは、毎年5月の末に、ドイツのライプツィヒという街で開催される“Wave Gotik Treffen(以下WGT)”です。
WGTは、ファッションでも注目されるイベントで、世界各国から雑誌の取材が来ています(名前は出しませんが、日本のファッション誌も来ています)。
前置きが長くなりましたが、私が衝撃を受けたのが、フェスを見に来るお客さんたちです。
生き生きと、自分らしさを表現して、イベントを楽しんでいるのです。
最近は日本でも、渡辺直美ちゃんやフワちゃんなど、個性派が支持されるようになりました。
が、それでもファッションリーダーと呼ばれるのは、容姿に恵まれたモデルさんが主流でしょう。
WGTにも、モデル級の美女・イケメンはたくさん来ています。
でも、それ以上にステキだと感じたのは‥‥肌や髪の色、体型、年齢、性別などに関係なく、それぞれ自分がカッコよく見える工夫をしていて、それがどれも、よく似合っているところです!
イベント会場では、ハンディキャップを抱えた人もたくさん見ます。
彼らのファッションセンスがまた、素晴らしいんです。
足の不自由な人が、ドクロの付いた杖を持っていたり、黒革に木彫り装飾が入った、ヘビメタ仕様の車椅子に乗っている人が居たり、自分らしいオシャレを楽しんでいて、なんてカッコいいんだろう!!と感動しました。
周囲の人が、ごく自然にハンディキャッパーをサポートする場面も、何度も見ました。
電車で車椅子の人が乗ってくると、近くに居た人が「どこで降りるの?」と話しかけ、降車駅が来るとみんながスッと場所を空けたり‥‥居合わせた人が、自分からコミュニケーションを取っているのは驚きでした。
お店で売られている商品も、幅広いです。
これは、多様性が認められている社会だという、指標のひとつだと思います。

▲めちゃくちゃ喜んだ、スーパーのヘアカラー売り場。
これでも一部です。
私は、赤みのある髪色が好きなのですが、日本のヘアカラーは、赤系といってもやっぱり茶色。
ところがドイツのスーパーには、大きなお店でなくても、とても多くの色数があります。
初めて売り場を見た時は大喜びで、赤系のヘアカラーを買いだめし、セルフで染めていました。
笑える体験談もあります。
現地にある、パンクファッションの店に行ったときのこと。
いっしょに居た友人が、ビョウの付いた、革のチョーカー(首輪)が欲しいと言いました。
店内を見ると、ちょうどいいのがありました。しかも、2本セット!
「2本入ってる!お得やん!」と喜んで買ったのですが、ドイツの友人に見せたら、それは「巨体の人が上腕に付ける腕輪」だったのです(笑)。だから2本入だったのか!!
いくら日本人が細身で小柄と言っても、首にピッタリのサイズが上腕用って、かなりメガですよね。。。こういう商品が特注ではなく、既製品で店頭にあるんです。
果たして売れているのかはわかりませんが、どんな体格の人でも、好きなファッションを楽しめるっていいなぁ~と思います。
音楽フェスですから、メインの目的はライブ鑑賞です。

▲ 自作のコルセットをモデルに着せる革職人
が、アーティストだけでなく、お客さんを見る楽しみに、すっかり魅了されてしまいました。
私の場合はたまたまWGTでしたが、他の国や地域でも、現地で感じる多様性はあるでしょう。
自分の「常識」や価値観、美意識が、いかに狭量であったかを思い知らせてもらい、本当に良かったと思いました。
「~でなければ」「~べき」で縛られる必要はない、人生は自由なんだ!と思わせてくれた、目からウロコの体験でした。
極端な例がわかりやすいと思ったので、敢えてWGTを取り上げましたが、別に黒装束を推奨しているわけではありません(笑)。
人気モデルと同じ洋服を買ったり、メイクを真似るのも楽しいでしょう。
が、自分にしかできない表現があることを忘れないで!
サイズが合わないから、似合わないから‥‥ではなく、自分には何が似合うの? どう見せればカッコいいの? と考える方が、私はステキだと思います。
趣味やファッションなら、自分らしさは比較的表現しやすいでしょう。
しかし、これが職場や世の中になると、話は違ってきます。
いわゆるマイノリティーと呼ばれる人たちには、社会生活を送るうえで、生きづらさを感じている人が大勢いらっしゃいます。
さらには、自分の個性や生き方を認めてはいけない、と感じている人もいます。
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私がドイツで感じたことは、社会において個性が尊重されていること、自己表現している人たちが幸せそうだったということです。
学校や会社、世の中も、そうであって欲しいと思います。
私が参加しているTNCでは、多様性を受け入れる会社とはどんな組織か、どうやって実践していくか?などを研究調査したり、実現させるプランを構築しています。
関心のある方は、ぜひご参加ください。
みんな真っ黒だけど、よく見るとそれぞれ個性的‥‥という雰囲気がわかる動画を見つけました。
https://www.youtube.com/watch?v=g3O9Lu7hPnI
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