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フランスにおける上下関係とは?

 フランスは、自由・平等・博愛(友愛)/Liberté, Égalité, Fraternité(リベルテ、エガリテ、フラテルニテ)と、トリコロールの色に合わせてフランス革命の標語を読み上げますが、果たして”平等”に関してはどうなのか?今回は上下関係をテーマに取り上げてみたいと思います。

 これらはもちろん、会社によったり、人によったり、様々な条件や環境で変わってくると思いますから、一概にそれがそうとは言い切れませんが、それでも、日本とちょっと違うな、ということを述べてみたいと思います。

 例えばですが、日本語では当然ながら敬語が存在しますね。実はフランス語でも、相手を呼ぶときに、Vous(ヴ)、Tu(テュ)とありますが、Vousはアナタ(もしくは複数であなたたち)、Tuはキミ、というニュアンスになり、詰まるところ、Vousで話せば敬語、Tuで話せばタメ口ということになります。

 ではVousとTuの使うタイミングはどうなのか?
日本であれば、まず間違いなく年上に対しては敬語ですね。年下であれば、社会での関わりの中では敬語のパターンもあるかもしれませんが、同じ社内だったり、ましては学生においての先輩後輩関係であれば、かなりの確率で、先輩は後輩に対してタメ口ではないでしょうか?

 フランスにおいて言えば、丁寧に話す際には確かにVousになるのですが、これが年上であっても年下であっても、関係ない場合がだいぶあります。会社であれば、例え役職の違う上司であっても、仲がよければTuで話すことも多いです。それに対して、敬語で話せ!と反応するフランス人をあまり(というより少なくとも僕の知る限りでは)見たことがありません。
僕が以前パリへ留学している際、かなり年の離れた(年上)マダムと仲良くなった際に、僕が頑なにVousで話し続けていると、Tuで構わない、と言われたこともあります。

 また、相手を尊重するという風潮が強い(しないといろいろヤバイ)国であることから、年上だから、上司だから、とそれだけを駆使して物申す機会は非常に少ない印象です。例え年下であっても、上司が理不尽であれば反対に物申すことも多々あります。権利は主張してなんぼ、理不尽には立ち向かうのがなんぼ、精神が強いですね。

 元々移民政策をとったこともあり、多民族国家、特にパリと言えばもう誰がフランス人なのかが分からない程です。そういった複雑な環境が入り混じる中では、争いを起こさないためにも、ある意味相手を尊重せざるを得ない、しなければ成り立たない、という背景もあるような気がしています。

 繰り返しにはなりますがまとめると、日本とフランスとでは、上司と部下、年上と年下の関係性において、役職の違いや、年齢の違いだけでは敬語にならないということです。

 善し悪しをつけたいわけではないので、あくまでも日本とフランスの考え方の違いだけを述べました。この記事をご覧いただいている方は、どう感じられるでしょうか?
 お国柄、他国との違い、を今一度知り、日本とはどういう国なのか、改めて考えるきっかけになればと思い、この記事を執筆いたしました。ご覧いただきまして、ありがとうございます。

北澤知也

 

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