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【クラファン】って登録商標?使っちゃいけないの?

2022年8月27日(土)

TNC「モノづくりチーム」担当の弁理士の山本英彦(ヤマヒデ)です。

 

「モノづくりチーム」は、世界に通じるものづくりをテーマに、現場の標準化、特許、商標などをみていき、「いい会社」を構成する3つの要素、「売れる仕組み」「学習する組織」「組織感情」のうち、「売れる仕組み」を作る整備を中心に活動します。

 

私は、とくに、特許や商標、いわゆる「知的財産(知財)」を担当します。

本日は、「使ってはいけない?商標登録」について説明をしたいと思います。

 

最近は「クラウドファンディング」という言葉をよく耳にされると思います。

同時に、それを略して「クラファン」という言葉も聞いたり、使用されたりしているのではないでしょうか。

 

以前、こんな質問をうけました。

「クラファン」って商標登録されているのですか?

商標登録されているから、使用してはダメですか?

実際はどうかというと、ケースバイケースです。

 

◆「クラファン」の登録状況◆

まずは「クラファン」の登録状況を、J-PlatPatで調べます。

・登録番号第6093192号「クラファン」

・登録日:2018年10月26日

確かに登録されています。

ただ、だからといって、とにかく使用してはダメ!というわけではないです。

図の赤線の部分を見てください。

【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】とあります。

この部分が、先ほどケースバイケースであると述べたポイントになります。

それでは、そのポイントの解説をします。

 

◆登録商標「クラファン」を使って良い場合・ダメな場合◆

まず、商品及び役務の区分・指定商品又は指定役務とは何かを説明します。

①区分とは

区分とは特許庁が定めた、商品や役務(サービス)の分類カテゴリーのことです。

区分は1類から45類まで分類されています。

 

②指定役務とは

商品やサービスそのものの事です。

これらは「類似商品・役務審査基準」の中でも細かく分類されています。

 

参照:類似商品・役務審査基準

 

これらを前述の「クラファン」文字商標の登録情報で確認できるのは、赤枠の部分(以下の赤文字の部分)にあたります。

41という数字は、第41類を示します。

その横の文章は、指定役務を示します。

 

区分:41類

指定役務:技芸・スポーツ・又は知識の教授,資格の認定及び資格の付与,セミナーの企画・運営又は開催

 

41類は主に「教育、訓練の提供、娯楽、スポーツ及び文化活動」が該当します。

その中でも、指定役務に記載されている上記の内容(技芸・スポーツ・又は知識の教授,資格の認定及び資格の付与,セミナーの企画・運営又は開催)で「クラファン」の文字商標が登録されていることになります。

 

だから例えば、セミナーの企画・運営又は開催などで「クラファン」という文字商標を使用しないほうがよいです。

逆に、指定役務以外であれば問題なく使用できます。例えば、購入型のクラウドファンディングに使用しても侵害にはなりません。

 

まとめ

最後に、「クラファン」を上記の第41類の指定役務で使用したいときは、権利者に使用許可をもらう必要があります。

また、公開されているCF検定HPhttps://www.xn--bck1a4h5c6b.com/には

きちんと、「クラファン」は株式会社サノス(旧クラファン株式会社)の商標登録ですと記載されており、登録商標を示すRマークもついています。

 

商標登録には効果の範囲(指定商品・指定役務)があります。

このことを知っておいて、商標の使用可否の判断に役立てていただければと思います。

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