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「顧客と従業員の感動を生み出す組織」について 〜働く環境編〜


TNC「経営理念チーム」の河上です。

株式会社JEAN(ジーン)という、サービス分野における人材開発・組織開発の研修・コンサルティング事業を行っています。

企業の顧客や、企業で働く人の満足・感動・信頼の気持ちを増やすことを、事業のミッションとしています。

前回の投稿(チーム学習編)では、「顧客と従業員の感動を生み出す組織」を作る上での重要な要素である「チーム学習」について、主に、以下3点について述べさせて頂きました。

  1. 「チーム学習」とは、メンバーが心から望む結果を出せるようにチームの能力をそろえ、伸ばしていくことである。

  2. 「チーム学習」を行う上では、対話を通してメンバーが持つ、多様なメンタルモデル(深く染み付いた前提、思い込み)を理解し合うことが重要である。

  3. 経営陣が、組織内での対話を通じた相互理解を推奨し、働きやすさの向上はもちろん、働く人の特性や強み、パフォーマンスが最大化できるような環境づくりが重要である。

目次

  1. 「心理的安全性」との関係性
  2. 「活き活き組織」になるためのヒント
  3.   「働く環境づくり」を起点とする好循環

今回はまず、「心理的安全性」と「顧客と従業員の感動を生み出す組織」との関係性について考えていければと思います。

1. 「心理的安全性」との関係性


「心理的安全性」とは、組織やチームにおいて、生産的に成果を生み出す上で、率直な意見や、ちょっとしたアイデアや質問、違和感に対する指摘を、誰もが気兼ねなく言える状態(対人関係性)のことです。

1999年、ハーバード大学教授のエイミー・C・エドモンドソン氏が、「チームの心理的安全性」に関する論文を発表しました。

彼女は、「チームの心理的安全性とは、対人関係におけるリスクだと思われる可能性のある言動をしてもこのチームなら大丈夫だ、というチームメンバーに共有される信念のこと」と定義づけをしました。

また、2012年にはGoogleが、4年の歳月をかけて「心理的安全性」の重要性を結論づけました。

その後も、多数の企業や職場、チームにおいて、その重要性が言及されてきたことは言うまでもありません。

逆説的な問いとなりますが、心理的安全性の度合いが低い組織やチームには、どのような影響があるのでしょうか。

「対人関係におけるリスク」が、その答えの一つとなります。

ここでいう「対人関係におけるリスク」とは、チームのために行動したとしても、対人関係により不利益を被るかもしれないという心理的な状況のことです。

このような状況は、チーム内で健全に意見を重ね合う機会や、生産的な仕事を阻害してしまいます。

エドモンドソン氏は、「対人関係におけるリスク」について、以下の4つに定義づけしています。

  • 「無知」・・・「無知」だと思われたくない。
  • 「無能」・・・「無能」だと思われたくない。
  • 「邪魔」・・・「邪魔」だと思われたくない。
  • 「否定的」・・「否定的」だと思われたくない。

このように、「対人関係におけるリスク」が発生しやすい組織やチームでは、人は、成果にとって必要なことでも行動しなくなってしまいます。

残念ながら、このような環境下では、冒頭の「チーム学習」は生じづらくなってしまいます。

「顧客と従業員の感動を生み出す組織」づくりにおいては、組織内の一人ひとりが、自らの価値観を共有し合える「心理的安全性」が必要不可欠だと私は考えます。

「活き活き組織」になるためのヒント


それでは、どのように「心理的安全性」を育んで行けば良いでしょうか。

以下の画像は、チームの風土(雰囲気)を、大きく4つに分けた図です。

また、チームの風土は、「組織感情」とも呼ばれます。

 

①「活き活き組織」

※「組織」は、「チーム」とも置き換えられます。

組織やチームのメンバー同士の信頼関係やチームワークが良いことに加え、仕事中の雰囲気が締まっており、かつ生産性が高い(仕事の量と質が高い)、活気的な雰囲気を持つ理想的な組織です。

上司や部下、先輩や後輩に関係なく、強みや弱みを認め合い、褒めたり、話し合えたりする、お互いを高め合える組織です。スタッフが、自分の成長ややりがいを実感できる組織のことで、「心理的安全性」が育まれ、成果が高まりやすい組織でもあります。

②「ぬくぬく組織」

一方、「ぬくぬく組織」ですが、チームメンバー同士は、仲が良いですが、業務中の空気が緩みやすく、仕事に関係のない私語が多かったり、ミスやトラブルが発生しやすかったり、ゆるい雰囲気になってしまいやすい組織です。

チーム内では、何でも言い合えるが、お互いに高め合わなくても、心理的な安全が担保されているため、生産性が低いのが特徴です。

③ 「ピリピリ組織」と④「ギスギス組織」

今回は主題ではないため深く触れませんが、生産性は高いが、何でも言い合えない「ピリピリ組織」や、停滞ムード漂う「ギスギス組織」も存在します。

  • 次に、多くの組織が陥りやすい②「ぬくぬく組織」から、心理的安全性に加え生産性も高い①「活き活き組織」へ、改善・変革するための考え方をお伝えできればと思います。

    もし皆さんのチームに、このような「ぬくぬく組織」の要素がある場合、どうすれば「活き活き組織」へ改善・変革できるのでしょうか。

    考え方は様々ありますが、一つだけ私が考えるポイントを共有させて頂きます。

それは、リーダーがフォロワーの「ワクワク」を活かす、という考えです。


組織内のリーダーの意識一つで、チームは「活き活き組織」へ変わります。

それはリーダーが、フォロワー(部下・後輩)一人一人の「ワクワク」(内発的動機付けとなるモチベーション)を知ることから始まります。

「ワクワク」とは、例えば、楽しさ、嬉しさ、喜び、やりがいといったものです。

「ワクワク」の語源は、「湧く湧く」とされています。心の内側から湧き出るプラスの気持ちという意味合いです。

また、他にも、興味や強みも広い意味での「ワクワク」と言えるでしょう。

  • 興味・・・関心ごとや好きなこと
    (例:人と話すことが好き、新しいこと、流行っていることに興味がある、ものづくりが好き、食べることが好き、SNSをよく見る・活用している、等)

  • 強み・・・(性格、能力、特徴としての)強み
    (例:人の話をきちんと聞ける、物事を深く考えられる、笑顔が素敵、いつも笑顔、臨機応変に対応できる、前向きな姿勢、作業が正確、等)

    このような、興味や強みは、仕事中に活かされ、発揮されると、「ワクワク」へとつながります。

リーダーは、部下や一人一人が、仕事や仕事以外のことで、

  • どのようなことに楽しさや、やりがいを感じているのか。
  • どのようなことに興味や関心ごとがあるのか。
  • どんな強みを持っているのか。

一人一人をよく観察し、一人一人とよく話をしてみてください。

それぞれのスタッフが、日頃、「ワクワク」しているポイントが見えてくるはずです。

そして、リーダーはこれらを汲み取り、知り、尊重し、認めることが大切です。

そして、リーダーは、フォロワー一人一人の「ワクワク」が活かせる仕事は何か、を考えながら、一緒に業務を行うことです。

仕事中に心の内側から出る、「ワクワク」とした気持ちは、圧倒的に「働く意味」を感じさせてくれます。

一人一人の「ワクワク」が増えることで、チーム全体の関係性や生産性が高まり、「活き活き組織」が醸成されていきます。


「働く環境づくり」を起点とする好循環


それでは、「活き活き組織」は、従業員の皆さんや成果へどのような好影響をもたらすでしょうか。

以下の画像は、上記のような働きやすい環境づくりを起点においた組織がどのような影響をもたらすのかを図示しています。



働きやすい環境、働きがいのある環境下では、従業員の皆さんは、組織やチームに愛着を持ち、働くことへの満足や感動が生じ、生産性を高めながら働くことができます。

商品やサービスの質は高まり、顧客満足度や顧客リピートやクチコミへ影響し、売上や利益率の向上に繋がります。その利益が、また環境づくりへと循環していきます。

「いい会社」を見ていくと、このように「働く環境づくり」を起点に経営を行なっている会社が多いことに気づきます。

また、「いい会社」には、「働く環境づくり」が理念や行動指針などの根幹に置かれている場合が多いことにも気がつきます。

今回は、「顧客と従業員の感動を生み出す組織」となるために、1. 心理的安全性、2. 活き活き組織、3. 働く環境づくりの大切さについて、ご提案をさせて頂きました。

株式会社JEAN
河上 朗

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