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大義で争うこと勿れ

TNC「経営理念チーム」担当の青木です。

 

企業理念のもつ力の啓蒙や、浸透のさせ方、

個人としての「自分企業理念」の重要性をお伝えしています。

 

今回のテーマは「大義」です。

 

先日、

『リボルバー・リリー』を観てきました。

綾瀬はるかさんが主演の映画です。

 

原作は大藪晴彦賞を受賞している、

ハードボイルドです。

 

大藪晴彦氏は、

『野獣死すべし』や『傭兵たちの挽歌』

などが有名な作家です。

 

大藪晴彦氏の作品は、

勧善懲悪、

毒をもって毒を制すような世界観でありながら、

人情があり

心に哀しさを漂わせるストーリーが多かったような気がします。

 

さて、

『リボルバー・リリー』です。

 

作品は関東大震災後の大正時代が舞台です。

モボとモガの時代です。

 

そこで、陸軍と海軍と「もう一人」が

それぞれの大義をもって活動していきます。

 

「戦うことをどう考えるのか」

ということを問うていたように思いました。

 

三者三様の「大義」がぶつかり合います。

 

陸軍も海軍も日本国を守るための軍資金として

「もう一人」が増やした資金を手に入れようとします。

 

「もう一人」も戦争では国は保持できないとして、

経済戦のための資金として確保していました。

 

三つの在り方それぞれでありながら

「お国のため」という共通の大義なのです。

 

そして、大義は「公」であって、

本来であれば

お互いに争いにはならないはずなのに、

自分の置かれた立場からの大義のために、

相手の大義は「知らぬ、存ぜぬ」どころか

自分の大義だけを「正しい」とするのです。

 

もっといえば、

公としての大義が

いつの間にか

組織が存続するための大義にすり替わり、

みんな

「自分は正しいことをしている」

と思っていくところに

人の怖さを感じました。

 

会社においても

企業理念がいつの間にか

存続のための理念になり、

何かの時によかれと思ってし始めたことが、

作法や社訓となり、

意味の無い継承に至っていることも

あるのではないでしょうか。

 

資本主義は競争により、

よりよい社会を作り上げていく面もありますが、

お互いの「よりよい社会」への大義が

いつの間にかシェアを争うことに

すり替わっていないでしょうか。

 

もしそうなら、

陸軍と海軍が争っていた時代と

何も変わっていないことになります。

 

「とはいっても」

この思考から抜け出さない限り、

陸軍と海軍の争いは、

永久に続いていきます。

 

A社が北米でシェアを伸ばした。

では当社はアジアだ!

 

視野を広げて、時間軸を伸ばして、

全世界を自分の会社のシェアにしたら

気が済むのでしょうか。

 

それによって、幸せになる人は誰ですか?

 

その時の経営者の実績(名誉)ですか?

 

少子高齢化、

生産人口減少、

モノ余りの時代、などなどを考えると、

お互いに共存していく社会への変化が

求められているように思えてなりません。

 

国内が飽和したから海外シェアではなくて、

働く人たちが幸せに働いて、

暮らせる在り方で十分なのではないでしょうか。

 

企業理念は自社の存在を世界規模の

独占状態にするためにあるのではありません。

 

世の中の役に立つようにということは、

拡大、増収を追い求めることではありません。

 

利益は働く人たちの幸せのためです。

 

残業、休日出勤、出向・・・・

こんな働き方をしてまで拡大させるのは、

何の大義があるのでしょうか。

 

もっともっとと拡大路線の先にあるのは、

何なのでしょうか。

 

「あなたはどう考えていますか?」

 

「とはいっても」

拡大しなければ潰されますか?

 

弱肉強食だけだったら、

今頃肉食恐竜が蔓延っているでしょう。

ライオンが世界制覇していたかもしれません。

 

何をしなくてはならないのか、

何をしてはならないのか、

この8月という重たい月に

しっかり考えてみてください。

 

「大義」で争うことがないように願っています。

 

この記事がお役にたちますように(祈)

 

青木篤実

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