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パーパス、ミッション・・・それとも?

TNC「経営理念チーム」担当の青木です。

 

ある雑誌に

「世界の優良企業はいま、

ミッションではなく『パーパス』という言葉を使う。

ミッションが天から与えられた使命であるのに対して、

パーパスとは一人ひとりの中から湧き上がってくる思いの発露だ」

とありました。

 

なるほど。

「天から与えられた使命」と

「湧き上がってくる思い」は違うのですね。

 

では、それぞれどのように感じるのでしょうか。

 

ミッションはある日雷に打たれたように

ビビビッとくるのでしょうか。

パーパスは湧き上がってきたとしても、

そこから行動するのにどれほど

「湧きあがれ」ばいいのでしょうか。

 

もっといえば、

フィロソフィや企業理念とはどう違うのでしょうか。

 

「ミッションは大義、パーパスは大志」

という記述も違うところで見かけました。

大義には義務感が伴うけれども、

大志は「したい」という思いなのだそうです。

 

会社の仕事は給与を伴うわけなので、

義務感がない・・

ということはあり得ないですよね・・・。

 

となると、パーパス経営というのは、

経営者一人でやることなのでしょうか。

そうではなくて、

働く人の自主性を大切にして

「したい」という気持ちにもっていくことを重視している経営、

ということをいいたいのでしょうか。

 

このように、流行りの経営手法について、

もっともらしく説明していることをよく見かけますが、

私にはわかりません。

 

「天から与えられた使命」を感知する方法もわかりません。

「湧き上がってくる思い」は感じることができますが、

それが「こうだったらいいな」というレベルと、

「私がやらねば誰がやる」

というレベルとでは全く違うと思えますし、

「私がやらねば・・」となったら

義務感とどこが違うのかわかりませんし、

煮詰めて行動していくには、

とても大変な気合が必要だとも思います。

 

目の前の仕事や、継承した仕事を通じて、

少しづつ高まっていく場合もあるでしょうし、

やむを得ず独立した以上、

「天から与えられた使命」だと思って邁進する、

ということもあるでしょう。

 

それを「ミッションとパーパスの違いであり、

世界の優良企業はパーパスを使う」

と論じるのは理解できません。

 

良し悪しではなく、私には理解できません。

 

私はミッションでもパーパスでも企業理念でも経営理念でも

「言い方はなんでもいい」と思っています。

(といいつつ、毎回違うのもナンなので、

私は「企業」の「理念」なので「企業理念」に統一しています)

 

言葉の定義はとても大切ですが、

世界共通の定義は固まっていなし、

定義が固まったからと言って

それで会社が動くわけでもないのですから

「なんでもいい」のです。

 

会社を動かすのは、

その会社独自の明文化された中身です。

 

どこまで会社の存在意義を考えたのか、

そして、

それを御旗として掲げるために、

どのように明文化するのか、

ということこそが大事なのであり、

世界の優良企業がパーパスを使おうと

ミッションであろうと、フィロソフィであろうと

自社には関係ないのです。

 

こんなことを声高に言う論調が、

会社の中に社是があり、企業理念があり、

MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)があり・・・

となるのだと思いました。

 

そして、

たくさんある明文化された想いは、

働く人を混乱させるだけで軸となることはありません。

 

どれが一番大切なのかわからなくなりますし、

何にもとづけばいいのか判断基準がたくさんあると、

面倒になってやらなくなるだけです。

 

『到知』に三遊亭歌之助氏が

ジュポン化粧品の故養田実社長から受けた教えがありました。

 

「ウサギとカメの物語は、何を語っているのか」という問いに対し、

歌之助氏が「ウサギにはいつでも勝てるという油断があった。

人生油断してはいけないという戒めです。」

と答えたところ、

養田氏は「零点の答えだ」と語気を強めたそうです。

 

「カメにとって相手はウサギでもライオンでもよかったはずだ。

なぜならカメは一度も相手を見ていない。

カメは旗の立っている頂上、

つまり人生の目標だけを見つめて歩き続けた。

一方のウサギはカメのことばかり気にして、

大切な人生の目標を一度も考えることをしなかった」

と歌之助氏に説いたそうです。

 

企業理念で「いい会社」になろうとするのは

カメの立場かもしれません。

 

パーパスだ、使命だ、と周りに振り回されるのではなく、

一途に「何のためにこの会社はあるのか」

「どうやったら働く人が幸せであるのか」

ということを考えて行動していくことが大切であり、

流行の経営手法に動じないことで

成し遂げられるのだと思います。

 

一途なカメが「いい会社」「いい世の中」を

作っていくのではないでしょうか。

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