「いい病院」を考えるのは、なぜか?

私たちは「いい会社」研究会を母体に、「いい病院」とは何かを考える研究分科会を結成し、その活動を始めました。

現代社会において、医療を受ける権利は、日本では恵まれている一方、医療を取り巻く環境が多岐にわたり、機能不全や不平等を起こし、優れた日本の医療提供環境が崩壊しかねないと昨今、問題視されてします。

しかし、それら提供先である病院をみると、その経営や組織において不可思議なことが喧伝され、それら組織体に所属している人々の「幸せ」をベースに、「いい病院」と社会との関係性をついて、新たな視点を提起できる活動としていきたい。

 

私たち研究会が考える「医療と福祉」とは何か?

医療と福祉において、当研究会では、厳密な定義や原則を課していません。そのため、「いい病院」の研究において、その組織に関わる「人」や「社会環境」を基に、検討していくことになりました。

詳しくは【ステークホルダー】としての“6人”を大切にすることで、よりサービスを「継続できる」環境になることを目指しています。

また、医療分野と福祉分野との産業構造の違いがあり、一律に、取り扱えない場面も多い中、その“6人”の視点を病院・福祉施設共に当てはめて研究していくことを予定しています。

それは、入居者・利用者(福祉)に対する患者(医療)も、同じ人が関わり、受けるサービスのため、同視点で、検討していくことで、医療と福祉との考え方の違いではなく、受けるサービスの品質や持続可能性を探っていきます。

 

「いい病院」の定義

私たちの母体である「いい会社」研究会の「いい会社」の定義である、従業員とその家族の幸せを目指しているモデルによる付加価値経営を、「いい病院」、「いい福祉施設」にも適用し、医療者・職員とその家族の幸せを実現する組織がよいとする方法や考え方を見出すことにします。

 

『病院・福祉施設に関わる6人が幸せになる』ことができることを「いい病院」の定義とする

私たちは、病院や福祉施設に関わる人に視点を持ち、それら【ステークホルダー】の立脚点で検討していくことを定義しました。【ステークホルダー】としての視点を以下の種類に分けました。

1、医療者とその家族
2、医療関係者(医療事務、製薬会社、医療器械等)とその家族
3、患者とその家族
4、地域の雇用とその家族
5、経営者(院長及びマネジメント層)
6、行政

私たちは、行政の視点も、大切な市民生活の中で、作られていく法律をも変化させる必要があるため、行政(機関)も、視野に入れることにしました。

 

私たちの活動と未来

私たちの活動によって、考えられる既存の良い病院の定義と異なり、医療・福祉に関わるものたちの態度・関わり方の努力と行動によって、「いい病院」が日本全国に拡がることを期待している。

調査・研究→訪問計画→「いい病院」活動(実践)→検討会・発表会、の流れを予定しています。

 

医療者側と患者側の理解度

私たちは、双方の理解度を中心に、“6人”の幸せを実現している病院を見学し、それらを実践できるように調査することを予定し、そのため、訪問時の質問を設計することを準備しています。

(医療側の視点)

◆医療側、患者側想法の課題からいい病院の指標を考える→病院を考える50の指標と質問設計
◆医療側から生じる課題を検討する
◆医療側から生じる課題の解決に向けて、解決策を提起する
(患者側の視点)

◇患者側のニーズから探る
◇患者側のニーズから生じる課題を検討する
◇患者側のニーズから課題の解決に向けて、患者と病院との関係を提起する

質問を設計する際に、双方(医療者側/患者側)だけでも、無理解や無知が存在することに気がつきました。

 

問題点の整理(抜粋)

A.患者の理解不足による医療提供者側の負担が増える傾向がある

B.医療者への理解を示し、医療提供をスムーズに行える環境を整備する

C.医療提供者とのコミュニティー形成と患者の参加を促す

D.よい医療提供のための、社会環境の整備を行う

E.高度な医療技術や知識の蓄積をスムーズに行える経営を行う

F.積極的なコミュニケーション活動は、むしろ受託者(患者)側や専門管理者の存在が必要である

 

協力してくださる皆様を募集します

私たちでは、今後、活動を加速していくため、実際に医療者として、「いい病院」を考え、実践したい方をはじめ、それら「いい病院」を作り上げていく仲間、それら理解をする患者とその家族の方、現役の病院経営に携わる方々、地域福祉や医療を考える行政マンらの参加をお待ちしています。