評価制度

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「働いて幸せになる会社の人事評価制度」とは

〇採用しただけでは育ちません
〇どんどん教育の場が無くなりつつあります
〇評価へのアレルギーを乗り越える
〇「人づくり会議」とは人財に換える重要な会議
〇評価制度を働く環境を整えるヒントとする
〇働いて幸せになる会社の「ものさし」をつくる
〇未来はきっと幸せになる働き方を実現する

採用しただけでは育ちません

「即戦力」という表現があります。
常に、即戦力を採用したいと願う会社が多くあります。実際、どれくらい即戦力として期待した採用が中長期的に成功だったと言えることが中小企業にあるのでしょうか。

実務や現状から欲しい人財の条件を探ると、中小企業では定められた範囲の仕事をする特定の職務ではなく、「あれもこれも」仕事をこなせる人を求めてしまいます。その際、マニュアル通りにすれば良いとする部分も当然ありますが、暗黙の内に、それ以上に求められる品質やサービス、新しいプロジェクト発足を考えた時、自主的に企業理念や経営者の想い、そして仕事や相手の意図を読み取り、自律的に望ましい行動をとれる人物を求めているはずです。

ただ、これを即戦力とするならば採用の難易度が高すぎるようにも感じます。
未だに採用されたのち現場で仕事をすれば身につくであろうとの理由で適切な教育を行わない職場も多くあります。

OJT(On-the-Job Training)と言えば聞こえは良いですが、現実は放置状態であり放任した中で、勝手に人が育つことは難しいでしょう。そもそも、そのような環境で育つ人材ならば教育環境が整った大企業に職を求めることでしょう。
自社の望む従業員になってもらいたいのであれば、自社に合う「あるべき姿」を知らせることが必要なのです。

私たちが考える「いい会社」のあるべき姿は、多様性を持った仲間が、相手を尊重し、仲良く働けることを大切にする組織であると考えています。それは甘えの構造でも依存しているのではなく、会社とは人が幸せになるための場であるという当然の前提から導き出さられています。それは、ひとつの要素であり、職場に集う人々は幸せになれるような人であってほしいと私たちは考えています。

このことに同意していただけるとすれば、一度、どのような教育の仕組みが自社に構築されているか、ふりかえって見ていただきたいのです。

どんどん教育の場が無くなりつつあります

研修費用では毎年同額の投資を行っている会社であっても、近年、教育の場は減りつつあります。仮に、これは以前から教育の場が少ないと思われる会社であっても、実際には労働時間外での自主的な練習・研鑽に励む姿は消し、世話焼き上司の薫陶もなくなり、職場外での付き合い(赤ちょうちんなど)によって技術的にも職業人、人間性や心構えといった人生を豊かにする教えも自然と行われていた慣習が、いまや法的な規制、コスト削減、過剰なプライバシー重視の価値観の蔓延と言った様々な理由から目に見えない形で消えている点を見逃してはなりません。

会社としては、その代替となる場を、意図的に用意する必要があるのです。
経営者や経営幹部の方々に人材についてインタビューすると「これくらいのことは社会人になる前に身につけておいてほしい」とする基本的な部分についての不満や不安を聞く機会が度々あります。

会社によっては(他は無くても)「素直さを持っていれば採用することにしている」との声もありました。はるかに人間関係が希薄化していることに気づかされる事実であり、今まで想定していた段階からの期待を一旦リセットして、真剣に育成する必要が求められており、この意味でも、年々会社における教育する機能がますます重要となっています。

評価へのアレルギーを乗り越える

人事評価制度を導入してみたが期待したほど機能していない、形骸化してしまった、満足していないといった会社のお話を多く聞きます。
評価される側からみれば自身に点数をつけられ、給与・賞与の額を決められるとして、切実に「1点いくらですか?」という発言を聞いたこともあります。このような査定の視点で捉えれば従業員としても評価に対して意欲的にはなれません。威圧を感じることからは、忌避したい対象でしかなり得ません。
TNC人事評価制度の設計思想では、報酬を決めるための査定を重視することではなく、教育の機会としてとらえた場合の制度設計を心掛け、それらを目的とした仕組みとなっています。仮に、評価へのアレルギーがあるとすれば「教育のため」「より良い人生を歩んでいただくために従業員を支援する」制度であるという理解の浸透から始める必要があります。
評価制度上の何点がいくらの報酬に相対するのか、という思想ではないのです。

思い出の中でも、特に学生時代、成績表には苦い記憶を思い出す人もいるのかもしれません。耳が痛い内容であればなおさらのこと、そもそも人は他者からの評価を快くおもえないものです。嫌いな担任からのコメント等は耳に残っていませんし、できなかった教科は忘れてしまいたい気分でしょう。
私たちTNCでは、相手の成長を思いやりのある言葉で期待を込める信頼する上司が熱心に話すことで、やっと従業員は上司の言葉に耳を傾けることが出来るのであって、評価制度の本質的な課題として評価者(上司)と対象者(部下)の関係性によって成長や行動が大きく変わる点を重視しています。

普段から上司が部下を「見守り」ながら観察し、それら「事実」に基づいて評価すると、部下からすれば普段から「見守られている」安心感が信頼に繋がり、上司と部下の関係性は確実に変わります。
この点は、TNCの人事評価制度の特長の1つとして、評価者である上司もTNCが提唱する「人づくり会議」を経て、信頼される上司へと成長していただくことを重視しています。

「人づくり会議」とは人財に換える重要な会議

従業員の成長を支援するためには正しく評価しなければなりません。
正しく評価するには評価する過程や認知・認識の違いがあることを学ぶ必要があります。
評価する上司は普段から部下を観察し、事実をもって評価をする必要があります。
観察するポイントにはコツもあり、言語化された評価項目を十分理解してようやく観察できるとも言えます。

TNC人事評価制度では「人づくり会議」の名称で評価者に集まっていただき、評価結果を発表しながら評価の甘辛などバイアス(認知の歪み等)が起こっていないか、評価項目の理解やすり合わせをする場を設けています。

実際、評価制度を導入し「人づくり会議」を実施して、ようやく評価者である管理職幹部が「部下を見ていない」「部下の成長に期待していない上司がいる」「指導する言葉を知らない」「具体的に表現する語彙が足りない」との事実を知るきっかけになるようです。

従業員の成長は短時間では難しいながらも、確実に中長期の視野では達成できるものです。
教育がすべて効果を発揮するわけでもなく、初期には一向に効果が乏しい、無力であると感じられているとしても、継続的かつ効果的な気づきと適切な時間を与えられれば、対象者である従業員は、あるタイミングで急激に成長するのも事実なのです。

また予期せぬ特性が功を奏して成長することもあります。大切なのは従業員に期待し続け、適切な刺激と適度な教育の機会を与えることであり、その過程を得ることで、部下より先に上司の成長を果たす結果にもなり得ます。その点も人事評価制度の効果に含まれます。

評価制度を働く環境を整えるヒントとする

評価項目によって、普段から従業員を見るポイントが分かるようになれば、従業員の変化にも気づけるようになります。従業員との面談を中心として変化を敏感に気づき、声をかけることで、本人の要望や心理的な不安を知り、心情的には安心感も図ることができます。

また経験や学習の面での変化であれば成長への支援、教育機会の提案、更に家庭での事情が理由であれば早期に把握し会社で出来る支援を迅速に行い、退職を防ぐことができます。

近年はメンタル面での不安も増えつつあり、程度に合わせてのカウンセリングや治療への助言、周囲の理解を醸成することで、早期のケアへと繋がり、長期の職場離脱を防いだり、業務改善に繋がったり、と内容によっては職場の環境を整えるための情報を得ることができます。

そのほか退職や問題行動を起こす予兆を評価過程から得た情報から見極められる事例もあり、育成に限らない効果と活用の機能を発揮出来るよう、我々は評価制度の仕組みの活用方法を指導します。

働いて幸せになる会社の「ものさし」をつくる

人間は普段思っている以上に複雑な情報を処理し行動しています。
人事評価の現場や多くの会社のヒアリングから良く分かってきたのは、双方向のコミュニケーションと言葉の大切さです。言葉で正しく伝えなければ相手は正しく行動してくれないのです。

「いい会社」と呼ばれ経営が安定している会社では言葉を丁寧に扱い、思いやりがある豊かな表現で従業員らに経営者のビジョンや理想的な従業員の働き方を伝えています。日々の定型的な業務は粛々と正確にこなし、チャレンジする機会では積極的に意欲を持って挑み、仲間を思いやり大切にするような従業員になってもらうには、会社の本質的な価値観を理解しなければ望めません。

経営理念の浸透は生半可では達成できず、そのため共通の理解を持つ上で評価制度の評価項目という「ものさし」を用意し、経営者と従業員の間の言葉と価値観の相違に気づき、すり合わせてゆくことが重要です。

「ものさし」は行動基準や規範的な行動とされるもので構成されています。これにより、ようやく経営と現場のコミュニケーションが成立し、コミュニケーションの目的が明確にされます。

どのように考え、どう動き、仕事をしていくのか、それらを共通に理解できる言語、「ことば」を中小企業の多くが持ち合わせていないことが、これまでの悩みでした。更に、採用においても、「ものさし」を持ち従業員の普段の言動を照らし合わせて観察する習慣さえ出来ていれば、今までまったくの手探り状態であった採用時に「人を見極める難しさ」から脱却し、「自社に合う」「将来を期待できる」人財を見極める感覚やヒントが見えてくる部分もあるでしょう。

未来はきっと幸せになる働き方を実現する

人事評価の真意とは「他者の鏡」をもって自己を理解する行為です。
まず「他者の鏡」となる企業の価値観を投影した評価項目が浸透し、個々人の努力の質にもよりますが、「ものさし」によって自己理解し、早期に課題に「気づき」、成長への実感を得られると自身への期待を反映し、自己肯定感が生まれ、自信を持って未来へとチャレンジできるようになります。

きっと「働くこと」の意味を革めて知ることになるのでしょう。働くことが苦役でなく未来の自分のためになること、もはや成功も失敗も自身の糧として、さらなる成長へとつながる好循環が生まれます。

「人づくり」の大きな柱としてTNC人事評価制度を導入され、「会社のあるべき姿」「従業員のあるべき姿」を明らかにして会社全体で励まし楽しみながら実行し、望ましい組織へ変化する実感してみてください。

私たちは「いい会社」経営の根幹である、働いて幸せになることへ惜しみない支援と貢献をしていきます。

*注釈)本講では、従来からレーティング(格付け)を行う人事考課という言葉を廃し、教育的人事評価活動へと再構築したため、「人事評価制度」の名称で統一した。
以降、従来の人事考課活動を本文中では「評価活動」の範囲に含み、フィードバック面談を通じた成長する人財を支援するツールとしては「人事評価制度」および「評価活動」の名称を使用します。

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