2016年3月18日「いい病院」研究会開催しました。

昨年末から3回、イギリス・フランス・ドイツと医療制度の勉強をしました。

2月25日開催ドイツの医療制度
戦前の日本は、ドイツを手本に社会保険方式の公的医療保険制度を導入していますし、現在の介護保険制度もドイツを手本としています。
ドイツは世界最古の国営社会保険医療制度を持っており、古くは鉄血宰相ビスマルクの時代からやっています。ドイツは近年医療費の抑制に成功しています。
フランスと同じく、社会保険方式の国であり、参考になる取組も多いかと思います。
「効率化」と「差別化」をテーマにしており、保険医療に競争原理を導入している事が一番の特徴でしょうか。
ともあれ、日本の医療制度、介護制度のお手本となっているドイツの制度をより知る事で、今の日本の医療制度をよく理解するきっかけになるかと思います。

1月14日開催フランスの医療制度
日本と同じ社会保険方式を採択しておりますが、そのスタートは職域団体であり、日本のような地域単位の社会保険とはちょっと違います。
そういう意味では前回の英国医療制度よりも、比較や参考になる部分も多いのではないかと思います。また社会保険+任意保険の仕組や、日本のマイナンバー利用の健康保険証のようなものとしてのICチップ入りの健康保険証を先だって導入している国です。(世界で一番配布されているICカードだそうで)
日本と近しい制度だからこそ、学ぶべき点や取り入れられる部分も多いかと思います。

12月15日開催イギリスの医療制度
「ゆりかごから墓場」まで、をスローガンに英国福祉社会を端的に表したNHSですが、1980年より30年をかけて、大きな改革をしてきました。
サッチャー、メージャーの保守党政権の「医療抑制政策」時代。(1979~1997)
ブレア、ブラウンの労働党政権の「医療増強政策」時代。(1997~2010)
そして、その延長線上での取り組みをしている、キャメロン政権。(2010~現在)

 

今回は日本の医療制度という事で

1 患者さん視点
2 医療者の視点
3 医療機関(病院)としての視点
4 財政面(政治)での視点

日本でも大きく医療制度改革をしておりまして、病院の在り方が大きく変わろうとしています。
一方で、患者さんや医療者の側に充分な情報が行き届いている訳ではなく、一部の病院(ブランド病院と呼ばれるような、優れた取組をしている病院です)での対応に限られているように思えます。

今回からの参加される方にも気軽に参加を頂けますよう、これまで見学に行った病院の取組のエッセンスを整理しまして、また前回までの海外での取組、そして、今後の医療政策の方向性などを加味しまして、どのような情報発信をしていく事で、「いい病院」が日本の中で増えていくのか、という事を考えられればと思います。

今回は日本の医療制度の中でも分かりやすいテーマを基に下記を中心に解説頂きました。

・予防について

・病院経営について

・自分に合う病院(病院探し)

 

まずは、病院単体で見るところから医療の制度設計がどの様になっているかの視点からいい病院を考えていく。
現状の認識としては、日本の医療制度がいいのか悪いのかそれすら分からない。基本的にはイギリスを目指していた、最近はフランスやドイツが近いのではないかという事で参考にかかりつけ医というのが3つの国で共通している事から日本の今後の医療制度に参考になるのでは?

予防について

予防が必要だと言われている中、何故実施されている事例が少ないのか?

WHOがランキングを提示している中、先進国でDがついているのは日本だけ
総合では1位でも、セルフメディケーションだけDになっている。

1つは病院にかかりにくい環境を制度設計されているからこそ、セルフメディケーションが確立されているのが海外で見られるケースであり、日本においては医療にかかりやすいという点が育てにくいという現状がある。

※セルフメディケーション:「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」

病院経営について

病院長は経営者ではない。

大病院におけるところは院長が臨床に携わる事がない。経営に特化している。
臨床を兼ねている所は経営状況が厳しい場合も見られ、仕事を切り分けるというのが検討課題の1つ

病院をどう探すか?

日本の場合情報を集めにくい。例:診療所がHPを持っていない。
患者側がどういう情報が欲しいのか書かれていないケースが多い。
また患者側のリテラシーが高くないとフリーアクセスではあるものの、医療機関にかかる際の情報が少なくその点が海外と比較した際の違い。

 

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