2016年7月26日(火) いい病院研究会7月定例会開催しました。

テーマ「choosinng Wisely」(チュージング・ワイズリー)について

<チュージング・ワイズリーとは、米国医学会のキャンペーンの名称のこと>
米国医学会71学会が順次、無駄な医療を発表していくキャンペーン
病院経営とも関係することであり、限りある財源を効果的に使う方法の一つである。

診断、治療、予防の中から、効果のあるものを選ぼうということ
前提として、米国医療では加入している民間保険により医療の制限があるのが普通であり、「マネジメント・ケア(管理医療)」という取り組みが顕著。保険者が受ける医療を決める、包括払い、という性質のものである。

【チュージング・ワイズリーの目的】
「過剰な検査」を減らすこと
「過剰な治療」を減らすこと

意味のない治療や検査はやめよう
→ 療者も、とりあえず検査してみようというのはやめる。
これを患者教育の一つの指標としていったらどうか?

日本の「不安だから検査する」という考え方は、世界的に見て特殊である。
医療は「情報の非対象性」が顕著である。
― 医者は不要と言っても、患者は不安である
その不安の解消に対して、保険適用していいのか?
自費でやったらいいのではないか?

<医師の生涯学習について>
海外は、すべての医師は医師会に入っている。欧米では「医師会」が法律で定められている公的団体であり、医師の加入率は100%。
日本医師会は、法律に定められていない私的団体の為、入っているのは6~7割。
医師の良心に基づいて努力している。
年配医師は、古い知識でやっている。
若い医師は検査をやりたがるが、勉強もしている。

<検査について>
日本は検査すればするほど儲かる、出来高制。(昔は全部の医療が出来高制だったが、過剰医療の温床となり、今は急性期はDPC、療養病床は包括払いという形になったが、検査だけが別になっている)
大きい病院では、検査がフリーにできるところもある → CT MRIの稼働率100%の病院もある。
日本は、CT MRIを世界の1/3所有している。

検査をやる理由は、
①病院の売上になるので、経営としてやってしまう。赤字経営の公的病院が、すべての患者を何でもかんでも検査させて、1年後には黒字になったというケースもある。
→ ルールが必要。必要のない検査は実費にすることも考えたらどうか。
②取りあえずやっておこう → 目的のない検査は結果も正確に出ない。
患者は医師に言われればやる → 患者から断ってもいい。
③ 研究のためにやる。
④ 患者がやってくれと医師に云う。 → 医学的に必要がなくても実施するケースが大半。(患者を説得する労力や、経営の観点から断りにくい)

<医療制度>
・ドクターフィー: 医師に直接支払われる報酬のこと。海外は医師の資質(腕のいい)に報酬を出している。

海外の診療報酬には、医療サービスメニューの価格表がある。日本の場合は、サービスではなく、仕入れ原価を基に診療報酬を決めている為、効能ではなく、いくら掛かった設備かで決まる。なので、こうしたサービス主体の価格表を取り入れると、検査が儲からなくなるので、クリニックは潰れる。

日本は、昭和54年頃に病院数が増えたが、もともとは診療所主体であり、外来中心でもクリニックが潰れない制度になっている。(開業医を優遇した診療報酬設計)
また診療報酬制度そのものが、高度経済成長期という、景気のいい時期にできたもので、今は時代が替わりそこの見直しがされつつある。

<まとめ>
医師も診断に確信が持てない部分がある。
医療の不確実性 → 同じ症状の患者がいて、同じ診療をしても、治らない場合もある。
正解はない。その中で、いい病院研究会は最大公約数として、このラインを超えるのであれば、水準以上の病院であると定義づけしていく必要があるのではないか。
組織としてのエッセンスは何かということを考えていくこと。
大多数の医師が効果なしというものはやらないという事実を研究会として抽出していく。
「○○はしない」ということをオープンにしていくことが大切ではないか。

ポジティブリストをあげたら切がないので、単にいい病院とはどんな病院かを考えるのではなく、ネガティブリストにフォーカスして、普遍的な原理原則を出して発表していく方がいいのではないか。

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