2013年9月2日 近森病院訪問

「ふつうの病気をふつうに治療し、家に帰す病院」

患者の「命を救うこと」「自宅に帰ってもらう」の二つを軸にして、リハビリを強化すると共に地域の病院と連携して、患者の「流れ」を作っています。安心して帰宅できる体制をとると共に、病院に長居することは「寝たきり患者を作ること」として極力避ける体制をとっています。

特徴
「医療を経営として捉える」
医療も経営であり、心の部分のみを医師、看護士に求め続ける事によって生じる課題を仕組みで解決
(主に業務量の解消を仕組みで整える事により重労働環境にさせない仕組みが出来ている=人を大切にする土壌が出来ている)

経営の考え方
・シンプルで、業務量に対し、それに必要な人を配置
・業務量を見極めて人が対応出来る時間と業務の配分を計算する事が重要
・業務量と時間を管理して重労働環境を改善するという仕組みがしっかり整える環境を上の人間がしっかり考慮している
・チームで取り組む収益、仕事環境(業務量)、時間帯を考慮して

具体的な取り組み
・カルテの整理をし、診療報酬が取れるものを探し、計算をして運営していることで、収益を上げることができている。
・カテーテルをするのに、医師3名、看護師2名でやっていたものを、医師1名のほかは、臨床検査技師をつかうことで、コストを下げ、医師以外を7~8名入れられるようになったとのことです。
・マネジメントを本で学ばれたということで、優秀なマネジメントがいれば、あとは指示とおりに動く人がいればいい
(経済学や料理の本を参考にしている。ルーチンワークを学ぶ為には料理本が最適)

逆に上手くいかなかった事
・業務の標準化、平準化を行った事により質の高さを保つ事。
その為、自分の病院の役割を定義して、それ以外の事は近隣病院に任せる様にしている。
(近森病院の場合、急性期医療、先端医療に特化し診療報酬を理解し収益が上がるところに特化している)

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2014年5月23日 聖隷三方原病院訪問

基本理念: キリスト教精神に基づく「隣人愛」
経営方針: この地域にしっかりと根ざし、住民に信頼される病院づくり

静岡県浜松市の北西部に位置しており、病床数は県下最大の934床です。常駐ヘリポ-トを配備した救命救急センタ-が活躍する急性期医療のほか、170床の重症心身障害児施設、104床の精神科、27床のホスピス、さらに20床の結核病棟など幅広い医療を提供しています。

特徴
・ホスピスは印象に残っている。入り口から全く違う建物の形という印象を受けた。また、よろず相談を実施している事とホスピスを話し合って決めているという所。
隣人愛という理念を基に1つの病院の中で完結できている事が患者側の安心感につながっている。周りのスタッフの協力体制が築かれている。
・ホスピス(キリスト教)奉仕精神からスタートしているのではないか?【慈善事業はキリスト教から伝来しているからではないか】それがもう少し公的な病院にも浸透していけばいいのでは?
・当たり前のことをやり続けているという印象を受けた。整理整頓がされているのと職員の目的意識の浸透がなされている。
・各診療科において1名の所も多く見受けられチームとして機能しているかしていないか?の視点が大切。病院規模が大きくなったとしても理念が浸透しているか否かが大切な要素

チームワーク、教育の観点から
・質問中にスタッフの方に聞いた際「それは先生に聞いて下さい」という答えが返ってくる所は宜しくないと思われ事務方が支えている事において、事務方の研修を実施しているか否かを見学と財務諸表の点から探る事も大切。

ホスピスについて
・福祉、介護、医療それぞれやりすぎの傾向が出ている所もある。
役割分担ではなくそれぞれがそれぞれの分野の境目が無くなって業務過多になっているケースがあるのではないか。

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