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銀行と決算書

従業員にとって一番大切なことは会社が安定的に存続し続ける存在であること。

そのために会社の資金が効率的に回っていることが重要になります。

TNC「お金の使い方」チーム担当の脇本です。

前回は資金管理のお話をしましたが、今回は全く違った方面のお話を。

銀行の与信管理の話です。

融資取引開始する際には、金融機関から決算書3期分の提出を求められるかと思います。

決算書は皆さんが想像されるようにコンピュータ入力されクレジットファイルというものが作られます。

内容は貸借対照表、損益計算書3期分の推移表と財務分析表、経常収支表、資金運用表など自動計算されたものです。当然自動計算なので不自然な経理処理をしているとアラームが立ちます。

それ以前に決算書を徴求される際に、ベテラン銀行員であれば疑問のある箇所は確認が入るかと思います。

そして、異常値が出た箇所については担当者から何気ない質問が投げかけられます。

そこで納得できない分や修正すべきと判断されると、銀行内で修正されます。

決算書という定量データは企業格付けのベースとなるものなので、正しい数値に摺り寄せていくことで正しい点数=格付けを行うようにしているのです。

私が現役の頃は、郵送で決算書を本部に送付するということしかなかったので、稟議作成には手書きのクレジットファイルを作成するため手作業で計算する場面もありましたが、今の時代はデータをパスワード付きのメール添付で送ることができるようになりましたので、そのようなことは全くなくなったかと思います。便利な世の中になったものですが、自分で計算するということがなくなったので、数字に関する感度は下がるのではないかと他人ごとながら心配してしまいますが。。。

まあ、そんなことはさておき、決算書で格付け=クレジットライン(貸せるかどうか、どこまで貸せるか)が決まるので、決算書の位置づけは重要なのですが、お化粧をして、見た目のいい決算書を作っても異常値が出て修正されてしまいますので、そもそもの実態がきちんとしていなければいけないということです。

私が銀行員の営業駆け出しの頃、税理士さんが赤字にさせない決算書を作成する技術のようなものを誇っていることも聞いたことがありますが、今どきは全く流行りません。粉飾とはいかないまでも厚化粧をしたらすぐにばれます。

正しいお金の使い方をしていけば、おかしな支出もなくなります。決算を締めてから慌てて処理に困ることもありません。

会社に必要なお金の使い方をしていても、それでも環境の大きな変化などの影響で、赤字になることもあるかとは思います。正しいお金の使い方をしている信用力は取引継続、支援継続の大きな武器になります。一時的に赤字でも、それまでの実績や先行きの見込みなどを加味して見通しが立つのなら怖がることはありません。必ず支援は受けられます。

中小企業ではよく経費など公私混同されているようなことも見受けられますが、公私混同しないことで得られる大きな信用、信頼もあります。

本業に関係のない支出(遊興費や私的流用など)を会社の器を利用して行わないようにしないといけません。

してはいけないことをしない。これも「いい会社」になるための第一歩です。

(脇本裕正)

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