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戦国時代とパワハラ

日本の歴史、特に戦国武将から現代に活かせることを学ぶ。
こんなことを日々考えている、TNCメンバーの新井です。

今年4月から改正労働施策総合推進法(通称:パワハラ防止法)なるものの対象範囲が広がったというニュースを聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。
〇〇ハラスメントという言葉が一般的に使われるようになって久しいですが、単純に言い換えてみると「〇〇な嫌がらせ(いじめ)」。

その代表格であるパワーハラスメント(以下、パワハラ)は、ある種のパワー(優位性)を用いて相手の心もしくは身体を傷つけたり、嫌な気持ちにさせてしまうこと、といったところでしょう。
色々と種類がありますが、言ってしまえば「ハラスメント=相手が嫌だと思うことをする」こと。
いつの時代も、これが良いことであるはずがありません。

戦国時代にはもちろんパワハラのような言葉はなく、あったとしても言えるような空気感ではなかったでしょう。死が身近だった時代背景からして、パワハラだ!と声を上げるには相当な覚悟が必要だと想像できます。
戦国時代とパワハラ。この2つのワードから皆さんが真っ先に想像した武将は、おそらく織田信長ではないでしょうか。
有名なエピソードで言えば、佐久間父子に叩きつけた折檻状や明智光秀への接し方があげられ、日常的な激情に身を任せた言動、重臣たちへの苛烈な要求などの例を上げればキリがないくらい。
光秀が何故本能寺の変を起こしたか?諸説ありすぎて真相は闇の中ですが、信長の言動が光秀を精神的に追い詰めたのが一因であることは間違いないでしょう。

そんな信長のエピソードをここで一つ。

信長のもとには多くの小姓(身の回りの世話役)がいましたが、その小姓たちにこんなことをしていたとか。
ある時、信長は別室にいる小姓を呼びます。呼ばれた小姓は急いで信長のもとへ行き、用件を聞き逃すまいと主人の言葉を待つ態勢に。しかし、信長は用件も告げずその小姓を下がらせ、今度は別の小姓を呼びます。同じことを繰り返した後、とある小姓が下がる前にホコリを発見。これを拾い下がろうとすると信長が呼び止め、

この言葉を聞かせた後にその小姓を褒めた、というお話です。

単に相手の出方を待つだけではなく、心配り(他人のことを考える)と気配り(ものごとの先を読む)をする人がよし、というこの信長の評価基準。
成る程!と言いたいところですが、信長の頭にあったのは対人関係ではなく戦においての心構えであり、むしろ対人関係における「心配り」は信長自身にも足りなかったものといえるでしょう。

信長に対人関係、特に光秀などの重臣に対する「心配り」ができていたら、その後の歴史はどうなっていたか。妄想は膨らみますが、明確な答えはありません。しかし、現代におけるパワハラ対策、いや、それ以前の心構えとして
・自分がされて嫌なことは相手にしない
・相手が嫌だと思うかもしれないと一度考えてみる

大勢の方が以上のような「心配り」をしてから行動すれば、世の中のトラブルは激減するのではないか。そのように考えている今日このごろです。

 

「いい武将」研究会 新井良典

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