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お客様は神様?お客さんはお客さん?フランスの場合

こんにちは。
TNC「広報越境PR」チームの北澤知也です。

僕は2014年から2015年にかけてフランスはパリに語学留学をし、その後も2週間~2ヶ月程度の期間で、年に1,2回フランスへ訪れておりました。
(今はコロナ禍ですので自粛中です。)
現在は日本で会社を立ち上げ、フランスに関連するサービスを展開しております。

今回は「お客様」についての話題ですが、フランス、特にパリで印象的なもののひとつは、あらゆるお店においての日本とのサービスの違いですね。

まず、レストラン。入ってもすぐに出迎えてくれるとは限りません。店内の奥で従業員同士で喋っていたり、他にやることがあれば放っておかれたりもします。
もちろん基本的には出迎えてくれますが、それも運次第。
席に着いたら着いたで、「すみません!」とオーダーの依頼をしたところで、気づかぬふりで暫く放置、なんてことも日常的です。
もちろん嫌がらせではなく、他のやることを優先しているだけです。恐らくこれが日本なら、今やっている作業をすぐさま中断して「お客様」を迎え入れるはずです。

ここで大切なのは、お国柄、を実感し甘んじて受け入れることです。
日本のような固く強くマニュアル化された定番の対応は求めてはいけません。

既にこの時点でブログタイトルの答えは出ていますが、フランスでは「お客様」は神様でもなければ、ただのひとりの「お客さん」にすぎません。
ただ、それも言い換えれば、上下関係がなく、お客さんを一人の人間として見ている、という捉え方もできます。

フランスでは移民政策をとったこともあり、現在も移民問題は非常に大きな問題です。
フランス全体の約10%近くが移民にあたり、そもそも「フランス人ではない」という方々も存在しています。
日本よりも遥かに就職難ですし、働きたくても働けないという状況です。

だからこそ、そういったカオスな環境で人々が生きていくには、差別も非常に大きな課題であり、相手を尊重しなければ成り立たない環境であるとも言えます。
パリでは自分は自分、相手は相手、です。わざわざ相手を否定しには行きません。

次にブティックの例を見てみましょうか。

例えば、入店時、必ず挨拶をします。「ボンジュール / Bonjour」。
お店のスタッフも「ボンジュール / Bonjour」。
そして続けて「何かお手伝いできることがあればおっしゃってください」とスタッフ。

買うものが決まって買うときに、レジ担当が違う人ならもう一度「ボンジュール / Bonjour」。
会計が終わったら「ありがとう / Merci」。
お店のスタッフも「ありがとう / Merci」。

お店を去るときは「さようなら / Au revoir」。
お店のスタッフも「さようなら / Au revoir」。

そう、挨拶が徹底しているのです。
ただこれにも理由があると個人的には感じています。
先ほど、カオスだからこそ、成り立たないからこそ、という話をしましたが、これもその例だと考えています。

スリが多いからです。つまり万引き。

自分自身でもひとつ例があります。
あるとき、スーパーに買い物に行きました。
ピンポイントで、これが必要、というものがありました。
ただ、探してみたものの、そのお店にはありませんでした。
ならば他のお店に行こう、と手ぶらででようとしたところ、すぐさま黒人の警備員が来ました。

「なぜ出た?カバンの中を見せなさい。」

と、こういった具合です。
日本の調子で行ったら考えられない出来事ですが、つまり、礼儀をしっかりすることで不信感を拭うをいう意味を持つのです。
この例は露骨でしたが、特に小さなお店などで、無言で入り無言で去っていくのは現地人からすると不気味なのです。

それ故、当然、友人同士や家族であっても挨拶は徹底しています。

全てが全てそうとは言い切りませんが、ハイブランドのお店で、メイン顧客が中国人や日本人と定められており、「買っていく観光客」とみられているならば、対応は丁重かもしれませんが、
ごくごく一般的には、お客さんはお客さんであり、1人の人間に過ぎない、そこに提供する側であること、提供される側であることに、全く差はありません。

もし今後このブログを見てくださった方で、フランス展開を視野に入れている方がいるとするならば、そのときはお国柄を熟知したうえで、要注意の展開が求められていると思います。

北澤知也

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